不動産会社に勤めて12年になります。物件の調査や書類作成、お客様への提案資料づくりと、デスクワークの比重が思った以上に高い仕事です。外回りがある日は気分転換になるのですが、月末や繁忙期は一日中デスクに向かいっぱなしになることも多く、そういう時期の疲れ方が年々きつくなってきていました。
30代半ばまでは翌朝には回復していたのに、40代に入ってから体の戻りが遅くなってきたのは感じていました。腰の重さが週明けも残っていることが増えて、マッサージチェアを買おうかと本気で考えたこともあります。でも先輩に話したところ、「椅子を替えてみたら」と言われて、正直なところ最初はピンときませんでした。マッサージチェアと普通の椅子は全然違う話だと思っていたのです。先輩の言葉を軽く聞き流しかけましたが、どこかで引っかかっていて、後から調べてみることにしました。
会社のオフィスチェアはずっと同じものを使っていて、自分では選んでいません。部署に割り当てられたもので、15年以上前に導入されたと聞いていました。座面を確認すると、クッションがかなりへたっていて、指で押してもほとんど沈まない状態でした。さらに高さ調整が壊れかけていて、少し動くたびにきしむ音がしていたのですが、それも「こんなものだろう」と思っていたのです。これだけの年数が経っていれば、そのままでは体に合わないのは当然でした。今さらながらその状態を確認して、少し気が遠くなりました。自分で選んでいない椅子の問題に、12年気づかなかったことになります。
自費で自分の椅子を用意することにして、いくつかのオフィスチェアを試しに行きました。これほど椅子の種類があるとは思っていなくて、最初は何を基準に選べばいいのかわかりませんでした。実際に複数のオフィスチェアに座り比べてみると、骨盤の当たり方と腰のサポート位置が、モデルによってかなり違うことがわかりました。長時間のデスクワークには、ランバーサポートの位置が調整できるオフィスチェアが特に合うと感じました。座ったときに腰がすっと起きる感覚があるものを、最終的な判断基準にしました。選んだのは、ランバーサポートと座面の奥行きを独立して調整できるタイプで、アームレストも自分のデスクの高さに合わせて変えられます。同僚に「いい椅子持ち込んだね」と言われましたが、体のためなら当然の投資だと思っています。試座で腰がすっと落ち着く感覚があったものに決めました。値段は想定より上がりましたが、後悔はありません。
使い始めて3ヶ月、月末の繁忙期を乗り越えても腰の重さが翌週まで残ることがなくなりました。マッサージチェアを買う前に椅子を替えてよかったと心から思っています。
長く同じ職場にいると、環境への慣れが判断を鈍らせます。体が疲れやすくなったと感じたとき、年齢のせいにする前に、まず座っている椅子を見直してみてほしいと思います。